ここでは未発表の小作品を紹介しています。
小さな小さなお話です。
「ゆきだるまくんのひみつ」販売期間終了!
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──おはなし──
2024年・前半のおはなし 「夢再生」
毎晩、ずっとこの夢を見てるの。
目覚めが悪くて・・・また、今日も遅刻してしまった。
このままだと、卒業するのもやばいかも・・・
この夢を見るようになってから、どれくらい月日が経つのだろうか・・・
私は、ずっとこの夢に悩まされている。
駅のホームの雑踏の中、私は誰かを追いかけているの。
「ちょっと、待って・・・」
って、私は叫んでいるの。
でも、髪の長い淡いピンクのワンピース姿の彼女は電車の中に消えて行ってしまうの。
私は、溢れている人の流れに押されていくの。
夢はいつもここで、途切れて私は汗びっしょりになって目が覚める。
いったい、私は夢の中で誰に声をかけているのだろうか・・・
:今朝、目覚めてちょっと変だなって感じたの。
いつもの夢を見たんだけど、髪の長い淡いピンクのワンピース姿の彼女が、少し横を向いたような・・・
きっと気のせいだろう・・・そう思って数週間。
いや、違う、気のせいなんかじゃない。
だって今日の夢では、彼女は横を向いていたじゃない。
そう、毎日同じ夢が、まるで録画ビデオの再生のように毎日繰り返されているが、
夢の中の彼女は確実に私に気付いているのだ。
もう、この夢は見たくない・・・・・・
眠らずにいられたら、どんなに楽だろうか・・・
しかし、睡魔には勝てない。
夢の中で、だんだん彼女の顔は、私の方を向こうとしている。
とうとう、彼女が振り向いた。
???えっ、うそっ、振り向いた顔は、私の顔???
私は、飛び起きた。
いったい、どういうことなの???
まだ、現実に戻れずにいるまま、私は顔を洗おうとベッドから降りた。
ふと、顔をあげると、私の目の前に、さっきまで夢の中にいた私の顔をした彼女がそこにいた。
彼女の手に何か光る物を感じた瞬間、彼女の手からサバイバルナイフが飛んできた。
ギャーッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おしまい