2005年・後半のおはなし 「手」
僕が子どもだったころ、いつもお母さんと手をつないでいた。
僕が青年だったころ、いつも恋人と手をつないでいた。
僕が結婚したころ、いつも妻と手をつないでいた。
僕に子どもが生まれてからは、いつも子どもと手をつないでいた。
僕に孫が生まれてからは、いつも孫と手をつないでいた。
そうして、孫も大きくなった今、僕はまた妻と手をつないでいる。
手と手。
つないだ手の温もりから、愛が伝わってくる、
安心する愛。
恋する愛。
守りたい愛。
いとおしい愛。
いつくしむ愛。
愛の形は違っても、手からあふれ出る愛は同じ。
手と手
僕は今日も手をつなぐ。
おしまい
──おはなし──
ここでは未発表の作品を紹介しています。
小さな小さなお話です。
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